おれが中学一年のとき家が改築され、やっと我が家にも風呂ができた。
その風呂でその頃こんなことがあった。おれが風呂に入っていると、突然母が風呂の戸を開けて中に入ってきたのだ。風呂場に何かを置きにきたのか、取りにきたのか、よく覚えていないのだが、とにかく母が入ってきた。
母はまだおれが小学*くらいの感覚だったらしく、「ちょっとごめんねー」といった感じだったし、おれもまた、すでに性欲は芽生えてはいたが母を女とは意識していなかった。
母が戸を開けたとき、たまたまおれは湯船から出ようと立ち上がったところだった。
「あらっ」
と、母がおれの股間をのぞき込んだので、おれはドキッ、とした。何が「あら」なのかわからないが、もしかしたら数日前から始めた自慰、つまりセンズリのことを母に気づかれたのではないかと思ったのだ。当時はまだ可愛らしいもので、おれはセンズリそのものにある種の罪悪感を覚えていた。
おれがドキドキしていると母はおれに歩み寄り、
「○○、何だか先のところが腫れているみたいだけど・・・・」
そう言いながら息がかかるほど股間に顔を近づけてきた。ああっ、やっぱりセンズリしていることがわかったんだ、きっと怒られる・・・おれはそう思ったのだが、母には息子のセンズリなどということは毛頭頭になかったらしい。
「どうしたの? どこかでぶつけたりしなかった?」
と、心配そうな声で言うのだ。俺も少し心配になって自分のものを見下ろしたが、どう見てもいつもと同じだった。
すでに女湯に一緒に入らなくなってから数年経っている。体が成長した分股間も成長し、形だって変わっていたのだが、母はまだ幼いときのままだと思いこんでいたらしい。手を伸ばしておれのものをむずと掴んだのだ。
あのときの驚きというのは、今でもよく覚えている。もう立派に勃起するようになった肉棒を母に掴まれたのだ。どうしてだかわからないが、ちょっとショックだった。それと、かなり恥ずかしかった。
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「・・・べ、別になんともないと思うよ・・・」
「そお? それならいいんだけど」
そう答えながらも、母はおれの肉棒を引っ張ったり持ち上げたりしている。おれの肉棒はムズムズしてきてしまった。母を女として意識はしていなかったが、それにしても母の指は自分の指とはまったく感触が違い、気持良かったのだ。
母の指はザラザラしていた。
というのも、当時は瞬間湯沸かし器など家にはなく、母は真冬でも手が切れるくらいに冷たい水で洗濯や食器洗いをしていた。長い間家族のために尽くしてきた母の手は、あかぎれてザラザラだったのだ。
ところが、そのザラザラした指が妙に気持ちいい。
そのうちに母が肉棒の裏側を見ようとしたらしく、グイッとひねった。少し皮がめくれ、カリ首に近い部分に指が触れたのだが、そのザリッとした感触が堪らず、おれの肉棒は母の指の中でムクムクと膨らみ、完全に勃起してしまったのだ。
心の中を書くと (えっ・・・ま、まずいよ、あっ、待て、やめろ・・・ああっ、た、立っちゃった、どうしよう・・・) こんな感じになる。
さすがに母も驚いたらしくパッ、と手を離した。おれは母の前に裸で立ったまま、肉棒もつっぱらかして、こんなに恥ずかしかったことはない。
ようやく母もおれがそういう年頃になったことを認識したらしい。少しの間気まずい空気が漂ったが、やがて母は、
「ごめんね博明、お母さん全然気がつかなかった」
それから、慌てたようにおれから離れ風呂場から出ようとしたのだが、言葉が足りないと思ったか、
「それは成長した証拠だから気にしなくていいのよ」
そう言った母の顔は頬が赤らみ、おれと同じでかなり恥ずかしそうだった。
ただ、思い過ごしなのかどうか、そのときの母の顔には、微妙に艶めかしいものが含まれていた。
後にも先にも、母に肉棒を触ってもらったのはこれ一回きりだ。母はもう、こんなことは忘れているだろう。
でもおれは、母の指の、あの感触が今でも忘れられない。
そして、もしあのとき、「まあ、こんなになっちゃって・・・」と言いながら母がにっこり笑い、あのままシコシコと擦って射精させてくれていたら、おれはどんなに幸せだったろう・・・などと思うのだ。