異常な関係の母と僕


女性にだって、性欲はある。それは、理解できる。
でも、母親に性欲があるとは思えない。
ないわけはないのだが、それを想像することは難しい。
相手が、まだ子供であるなら、なおさらのことだ。
当時、母さんのしてくることを、僕は何かのおまじないだと思っていた。
とても無邪気なものだったと思う。
「さあ、綺麗綺麗しましょうね。」
同じ言葉を二度繰り返されるから、何かの呪文のようなものだと勘違いしていたのだ。

事あるごとに、母さんは、ここは綺麗にしておかなくちゃだめなのよ、と僕に言っていた。
だから、それを徹底させるために、毎晩僕に言って聞かせているのだと思っていた。
一緒に風呂に入り、身体をすべて洗い終えると、母さんは、最後に必ず僕の前に跪いていた。

大事そうに手のひらに包みながら、嬉しそうに笑い、そして、いつものお呪いを唱えてから、僕のペニスを口の中に入れていった。
丁寧に舌で舐めてくれた。
熱心な舌使いは、本当に舐めて綺麗にしているのだと思えてならなかった。
それが、そんな簡単なことじゃないと気付かされたのは、中学に入って間もない頃だ。

よくある話だ。部活が終わって着替えているときに、エッチな話題になり、先輩から、セックスを説明してもらって、フェラチオという口による性行為があることを教えてもらった。
「ああ!しゃぶってもらいてえ!」
自分で股間を握りしめながら、悶絶していた彼に「そんなことなら、もう・・・。」やったことありますけど、と言いかけて、慌てて口を噤んだ。

はっ、と気付いて、その時になり、やっと母さんのしていることが異常であることを理解したのだ。
しかし、それを母さんにやめて欲しいとは言えなかった。
言えないままに、初めての射精を母さんの口の中で覚えた。
母さんは、とても嬉しそうだった。

「大人になったのよ。」と、僕を褒め、それからは、いっそうペニスに執着するようになった。
僕が射精をするようになると、身体を洗う時間よりも、口にしている時間のほうが長くなった。
きっと、母さんは、僕が恥ずかしがるようになって、何も知らない子供じゃなくなったのにも気付いていたに違いない。
それでも母さんはやめなかった。

必ず僕と一緒にお風呂に入ったし、当たり前のようにペニスを口にもした。
執拗に舐められるようになって、一度だけではなく、二度三度と母さんの口の中で果てるようになった。
目の前で揺れている柔かそうなおっぱいが気になって、僕は、母さんに舐めてもらいながら、それに触るようにもなった。

乳首を摘むと、母さんは「もっと、強くつねって。」と言った。
言われたとおりにしてやると、僕のものを口にしながら、妖しく腰をくねらせて、自分の性器に触れていた。
ある晩、「今夜から、ここに出すのよ。」と言って、母さんは、浴槽の縁に手をつきながら、大きなお尻を僕の方に向けてきた。
その時には、もうセックスという行為を理解していた。

それでも言われるままに、入れてしまったのは、母さんには逆らえない、何か見えない特別な力のようなものに、その頃の僕が支配されていたからだ。
母さんが手のひらに握って導いてくれた。
「そこよ。」と教えられたときは、何も考えずに突き入れていた。
口の中も気持ちよかったけれど、母さんの中は、もっと気持ちよかった。
何よりも、母さんが気持ちよさそうに声を出して喜んでいるのが、僕には嬉しくてならなかった。

父さんは、忙しい人だったから、いつも夜は母さんと二人きりだった。
父さんが帰ってこない晩も、たくさんあった。
そんな夜は、決まって母さんと同じベッドで眠るようになった。
もちろん、二人とも裸のままで、僕はいつまでも母さんにしがみついていたし、母さんも僕を離そうとはしなかった。
母さんの中に出しては、口で大きくしてもらうのを繰り返した。
二人して、裸で眠ってしまうことも度々あった。

そしてある日、とうとう、僕たちは、父さんに見つかってしまった。
母さんは、驚いてもいなかった。
僕たちは、自分たちの荷物だけを持って、それまで住んでいた家を離れた。
古いアパートに住むようになり、母さんは、夜の勤めをするようになった。
でも、夜中に帰ってくれば、必ず僕を求めてきたし、僕もそれに応えていた。

寝不足にならないように、ひとりだけでご飯を食べ終えると、母さんが帰ってくるまでの間は、出来るだけ眠るように心がけた。
だから、その頃流行っていたテレビが、なんであるか知らないし、深夜放送を聞いたこともない。
友達とは、話が噛み合わなくなって困ったけれど、それでも、母さんさえ喜んでくれれば、僕は満足だった。

夜の勤めに出るようになってから、母さんは、ますます綺麗になっていったし、エッチにもなっていった。
でも、ある時期から、僕の両手を縛るようになり、「あなたは、悪い子ね。」と睨みつけながら、僕のお尻を叩くようになった。
母さんの豹変ぶりが怖くて、僕は泣いた。
泣きながら許しを求めても、母さんは許してくれなかった。

お尻の穴に指を入れられ、腰に作り物のペニスを付けて僕を犯すようにもなった。
そんなときの母さんは、まったく人が変わったようになって本当に怖かった。
犯されたあとに僕がずっと泣いていると、優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
「こんなに好きなのに、赤ちゃんをくれないからよ。」と、母さんは僕の頭を撫でながら、いつもそうやって耳元でささやいていた。
どんなに中に出しても、母さんは僕の子供を身籠もらなかった。
母さんは、僕を産んでいるのだから、異常があるとすれば、それは僕の方だった。

母さんは、僕の子供を欲しがった。
作ってあげたかったけれど、結局いつまで経っても母さんが妊娠することはなかった。
僕は、母さんを妊娠させることが出来なくて、毎晩のように虐められた。
お尻を犯されながら、勃起したペニスを扱かれ、すぐにでも逝きたくなるくらいに気持ちよかったのに、母さんは、逝ったらお仕置きよ、と輪ゴムで根本を縛ったりして、いつまでも僕に射精させてくれなかった。
必ず、最後は母さんの中で果てなければならなかった。

溜まりに溜まった濃厚なものを、母さんの中にたくさん注ぎ込まなければ、僕は、母さんに許してもらえなかったのだ。
中学を卒業すると、学校へも行かなくなった。
高校は受験せずに、ずっとアパートの中で暮らす生活を強いられた。
母さんが部屋の中にいる間は、外に出ることも許されなかった。
ずっと裸にされて、求められるままに母さんと繋がっていた。

ある日、用事があって買い物に出掛けたら、帰ってきたところを母さんに打たれた。
まだ寝ていたから、かまわないだろうと思い、そっと出掛けたのだが、その間に目覚めた母さんは、僕がいなくて死ぬほど怖かったそうだ。
そして、それから母さんは、僕を鎖に繋いで飼うようになった。

母さんのいる昼間はもちろんのこと、夜でさえも、長い鎖で僕を繋ぎ、トイレ以外はどこへも行かせないようになった。
帰ってくれば、鎖に繋がれたまま僕は犯された。
「なんで、赤ちゃんをくれないの!」
母さんは狂ったように僕を犯し続け、そして僕は、ただ泣きながら謝り、犯されているだけだった。

児相に通報があり、救出されたときは、僕の体重は、30キロもなかった。
衰弱が激しく、発見が遅ければ、あと一週間も持たなかったそうだ。
母さんは、僕を鎖に繋いで部屋に閉じこめたまま、普通の暮らしを続けていた。
ただ、夜中に叫んでいたそうだ。

「なんで大きくならないの!」「どうしてお母さんを気持ちよくしてくれないの!」
そんなことばかり叫んでいたから、近所の人が怖くなって、警察に通報した。
警察から児相に連絡が入り、様子を見に来た職員の方が、僕を発見してくれた。

母さんは、当たり前のように児相の方に、僕はここにいると、部屋まで案内したそうだ。
当然、虐待の罪を問われたけれど、精神に異常があると判断されて、母さんは、医療刑務所に入った。

そこで3年間を過ごして、去年退院した。
彼女を出迎えたのは、僕だ。
僕は、治療後に父さんに引き取られたけれど、父さんは、すでに新たな家族を作って生活していた。
血を分けた子供だったから、仕方なかったのだろうけれど、僕が邪魔者であることは間違いなかった。

ましてや、僕は父さんから母さんを奪った悪者だ。
長く一緒に暮らせるはずなんかない。
少しやつれていたけれど、母さんは、相変わらず綺麗だった。
僕が出迎えに行ったら、泣いて喜んでいた。
職員の方からは、一緒に暮らさない方がいいと言われた。

病院の先生からも、完治はしたが、同じ事を繰り返す危険性が、まったくないわけではない、と教えられた。
それに、深刻な顔をして、一部幼*化していて、赤ちゃん返りをすることがあるかもしれない、とも告げられた。
大変かもしれないよ、と念を押されて、僕は、大丈夫です、と答えた。

もう、身体は大きくなっていたし、母さんを怖がることもなくなっていた。
それに、何よりも、僕がまだ母さんを愛していた。
非道いことをされたなんて思ってない。
ただ、愛し方を間違えただけだ。
歪んだ形ではあったけれど、僕への愛情に、嘘はなかったと今でも信じている。
捨てることが出来なかったのだから、僕は、まだ母さんの呪縛からは、解かれていなかったのかもしれない。
それでもかまわなかった。

用意したアパートに、母さんを連れて帰った。
夜になったら、また、一緒にお風呂に入った。
母さんは、すごく恥ずかしそうだった。
まるで、恋人の前で初めて裸になった女の子のようだった。
一緒にお風呂に入って、念入りに身体を洗ってやり、ただ恥ずかしそうに立っているだけの母さんの前にしゃがみ込んだ。

「ここは、特に綺麗にしなくちゃいけないんだよ。」
僕の目の前には、母さんの薄い茂みがあった。
母さんは、頬を真っ赤に染めて、恥ずかしそうな顔をしながら、僕を見下ろしているだけだった。

僕は、母さんを見上げながら、微笑んだ。
「さあ、綺麗綺麗しようね。」
そして僕は、懐かしい匂いの中へと、再び顔を埋めていったのだ・・・。



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