二年前の夏休み前、そんな時期であるからして学部生たちは色めきだっていた。
ある日の昼、学食で飯を食っていても所々では夏休みの旅行の相談。カップルらしき男女は海に行く算段を立てて喜んでいた。
しかしまぁ、僕のように院生、なおかつ不真面目で結果が思うように出ていない院生は、盆も暮れも関係なく明日の実験のことしか考えていなかった。
旅行らしい旅行なんて、学部生の頃所属していたサークルの仲間とスキーに行った程度。しかも野郎のみ。
そんな、灰色の青春を謳歌していた僕は、いつも通りの夏が始まるなぁと思いを巡らせていた。
「おーいノブ」
後ろから元気な声がかかる。
振り返ると、しばらく顔を見ていなかったあたるだった。
スペックでも晒したが、あたるは同じ学部で浪人留年しているから二個上。入学当初から仲がいい。(というか、俺自身友達はそんなに多くなくてあたるとあと二人程度の友達しかいなかった。)
彼は高身長で眼鏡イケメン。高校は名門の出で、留年はしていたが頭は凄く良い。おまけにスポーツは球技なら大体出来た。正に俺と正反対。
だが、まぁ彼とはエロゲを貸し合ったり、コミケにも一緒に行くほど仲が良かった。
「久しぶりだな。元気してたか。」
「うん、まぁ。お前は?進級とかどうだ。前期終わったけども」
「わからんなぁwww実習とかやる気なくてwレポートも出してないやwwwwww」
「ちょ・・・おま・・・・・・」
「お前、あの実習で助手だったろ?なぁ先生に口添えしてくれないかw」
「俺は一回の院生だ。無理に決まってるよ。」
そんな、完璧超人のあたるの唯一にして最大の欠点それが無気力。
これさえなければ、彼は普通に進級してたし、もしかしたら飛び級もしていただろうに・・・
「まぁいいやwそれよかノブよ。お前、実験ばっかで疲れないか。」
「まぁね。でも好きでやってることだからさ。」
「たまには息抜きでもどうだ!そうだ、今晩うちで飲まないか?」
「今日は作業がたくさんあって、夜遅くまで出れないなぁ。」
「ばっか!お前、今日は金曜だぞ?夜遅くからでもいいからさ。」
「うちの研究室は土曜まであるんだよねぇ・・・」
「はぁそうか。いつも世話になってるお前にお返しがしたかったんだがなぁ。」
「お気遣いどうも。宅飲みなんて何時でも出来るじゃん今度な?」
「それが、多分”今回限り”なんだなぁ。おいしいスコッチもあるのに。」
今回限りというのを強調していたのは気になったが、自分的にはスコッチが大好物なので食いついてしまい。
作業を終えた0時過ぎ、あたるの家に向かうことにした。
あたるのアパートに向かう前に、コンビニで適当につまみを頼まれたので購入し、酒にありつけるとホクホクして向かった。
チャイムを鳴らすとあたるがいつも通り迎え入れてくれた。
ただ、部屋に入るといつも通りではなかったんだ。
部屋の真ん中にあるちゃぶ台の前に女の子がいた。普通にかわいかった。
というか、それだけで緊張した。
「ア・・・コンチャス・・・」
「あーこいつは高校の時の部活の後輩のけいこ。けいこ、こいつさっき話したノブな。」
「こんにちは。けいこです。ノブ君よろしくね。」
「ア・・・ハイ・・・・・ヨロシクオナシャス・・・」
女の子は黒髪のロングヘアーでスぺに書いた通り鼻がつぶれた北川景子みたいな感じ。
胸はそこそこあったし、何より隣に座った時凄く良い甘いにおいがしたもんだからクラッと来た。
俺は中高と男子校だったので終始緊張しっぱなしだった。
それから、酒飲みながら色々と聞いた。けいこはあたるがテニス部だった時の後輩らしい。
今はフリーターしながら資格試験の勉強をしているとのこと。
俺は、目の前のラフロイグが美味しくてグイグイと飲みながら、酒のおかげでけいことも話すことができた。
というか、酒がなかったら絶対喋れない。研究室の同期でさえ事務的な会話以外はあまりしないんだけども。
そうやって、三人とも段々と酔っ払い始めるとなにやらあたるのけいこに対するボディタッチが多くなって来ていた。
何やらけいこも「やめてくださいよー先輩!」と始めは拒んでいたが「ちょ・・・せんぱ・・・やめ・・・」と何だが声が甘ったるくなってきていた。
そんな光景は当然、彼女いない歴=年齢の童貞の俺には刺激が強すぎて、これだけで勃起していた。
ちょっと、冷静になるために外の空気でも吸って落ち着こう。そう決めて席を立ったがあたるも席を立ち、ちょっと話があると外に促された。
「なぁ、どうよ後輩。かわいくね?」
「まぁ・・・そうだね。」
「ちょっと興奮したか?あいつ、感度良いんだよ。乳首とかつまむと凄い声で喘ぐんだぜ。」
「え?ちょ。それってどういう」
「あぁ?けいこは俺のセフレだけども?」
そう、こいつは某生放送やら某つぶやきSNSで女の子を引っ掛けてはセフレにしている所謂出会い厨だったのだ。
それは知っていたが、まさか地元の後輩まで手なづけていたとは・・・
「それで、これは俺の感謝のしるしなんだが。どうだろう?アイツで男になれよw」
「へ?」
青天の霹靂だった。まさかこんな展開予想だにしていなかった。
だけども、部屋に女の子がいた時点でおかしいとは思っていたんだけど。
「いやいやいやいや、それよくわかんないから!仮の話だけど、そんなことには絶対ならないだろ!」
「いやぁ、お前。任せろって。大船に乗ったつもりでな。ハハハwww」
「うわぁ・・・とんだ泥船だよぅ」
この時点で俺も酔っ払っていたので、そんなことにはならないと思いつつあたるに任せることにした。
部屋に入ると、テレビを見ていたけいこが不思議そうな顔して此方を向いた。
「先輩とノブ君どうしたんですか?何かお話でも?」
「いや、ちょっと学校のことでノブに相談したいことがあってな。ちょっと二人で話したかったんだ。」
「そうだったんですかー話終わりました?なんなら席外しますけど。」
「いやいや、大丈夫。話は終わったよ。な?」
「あ、あぁ。」
と、今まで見たこともないような満面の笑顔で彼は俺に微笑みかけた。
そのあと、棚に置いてあった箱をおもむろに漁り始め、四角い黒い塊を俺らの前に取り出した。
そして、突然大声で
「さーーって、始めましょうか!おいちょかぶ!!やっぱ、賭けないと面白くないので、皆何かしら賭けること!!」
「俺、そんな金持ってないぞ!」
「私もです!!」
「君達何言ってるのさ。ノブ、お前男だろう?少なくていいからさ。ほれ」
と、中は一万円を取り出した。
「宣言しよう。お前らに俺は負けない。だから最低一万賭けよう。でも、お前らはいくらでもいい。どうだ、悪い話じゃないだろう?」
「わーったよ。仕方ない。お前がそこまで言うなら乗るよ。」
「えっ、えーーー!ちょっと待って下さいよ!先輩たちと違って私、今給料日前でお金がないんですよう!」
「けいこはーそうだな。服、下着類一枚につき五千円から一万円でいいぞ。どうだ?」
「・・・・・えー。うー。ぬ、脱ぐんですかー。仕方ないのでお金賭けます。絶対脱ぎませんから!!」
とまぁ、渋々けいこも乗ってきた。みんなお酒入ってたからね。しかたないね。
そして、はじまるおいちょかぶ。
おいちょかぶはみんな知ってるかもしれんが、花札使ってブラックジャックするゲーム。
俺もけいこもルール知らんかったから、親をあたるにやってもらった。
というか、ほとんど親はあたるがやっていた。
考えてみれば当たり前であたるはいい感じで負けながら、大きく勝って自分の思うままにゲームを支配していた。
恐るべし。完璧無気力超人。
そんなこんなで精算することになった。
俺は大体±0ぐらい。
あたるは一万円くらい勝っていた。
けいこは数万負けていたwwwwww
この子、酔っ払っていたのはあるんだけど、熱くなりやすいのと、思ってることが顔に出やすい。
おいちょかぶは運もあるけど、駆け引きがとても大きい。
その結果、あたるが親の時にカモられていますたw
「これ以上、現金出せません!」
「じゃあ、はよ脱げ。」
「うぅ・・・・・無理やり誘ったの先輩じゃないですか!」
「ほう。そう言うか。お前は約束破るんだなぁ。」
「でも!だって!・・・・・・恥ずかしいです・・・」
と顔を真っ赤にしながら小声でつぶやいていた。それがなんとも可愛くて不覚ながらキュンと来てしまったのを覚えてる。
するとあたるはニヤニヤと悪い笑顔で
「そうかそうか。ノブにあの話しちゃおうかな。」
「え!そんな!ひどいです!ずるいです!」
「じゃあ脱いでもらおうか。」
あの話とは後日談だが、けいことあたるがセフレの関係にあることだった。
勿論俺は知らん風を決め込んだ。
「うぅ・・・・・・ノブ君、見ないでね?」
と、頬を赤らめながら懇願するけいこ。
けいこにそっぽを向くと後ろから衣擦れの音が聞こえてきてなんともエロかった。
「まだ、精算できてないぞ?そうだなぁブラ脱ごうか。とりあえずそれでいいから。」
「え、でも・・・・・・」
「あの話するけど。」
「う・・・うぅ・・・」
「お前も見ておけって、こいつマジでスタイル良いからさ!」
「ちょちょちょ!先輩!!何言ってるんですか!・・・・・ひゃ!」
俺の理性は耐えかねて見てしまった。彼女の肢体を。
出るところは出て、くびれているところはくびれた綺麗なプロポーションだった。
なにより胸は程よく大きく、乳首はツンと立っていて、セフレがいるほど遊んでいると思っていたが乳輪は以外にもピンクっぽかった。
余りに綺麗なので思わず見とれてしまったが、言い知れぬ罪悪感にさいなまれ「ごめん。」と謝罪を述べてトイレにでも行って頭を冷やすために席を立った。
トイレに駆け込んだ俺は、結果的に無理やりゲームに誘ってしまったのと、見てしまったことで罪悪感で、頭を抱えていた。
これは、あたるのシナリオ通りなのだろうか。しかしそれにしても女の子がここまで困っているのは何とも悪い気になった。
しかしながら、あの頬を赤らめながら立派な体を隠している彼女の姿を思い出すと、思考に反して愚息は反応していた。
酔いが少しはさめてくると、外から何やら妖しい声が聞こえてくるのに気付き、頭を抱えるのをやめた。
これは明らかにけいこの声であった。何やら甲高い声だ。
トイレを出るとすぐに分かった。けいこが喘いでいた。
「ちょ・・・あ・・・・・・せんぱい・・・んあ」
「けいこー乳首こんなんなってるぞ?」
「いわ・・・ないで・・・ひゃん!」
と、ドアの向こうから聞こえてくるじゃないか。何だかよく分からんがドア一枚向こうでは何やらおっぱじまっていた。
「なんだよ。今日は下もすごいなぁー」
「ちょ、やめ・・・!せんぱい!聞こえ・・・ちゃ・・・うあん!」
「そうかノブに見られて興奮したんだな。パンツもぐっしょりじゃないか。」
「ほん・・・ともぉ・・・やめ!んあ!・・・」
物凄く居づらくて今にも逃げたいけどもう少し聞いていたかった。
すると、突然
「ノブ!いるんだろ!入って来いよ!」
「え、ノブ君?ちょだめ・・・ひゃん!」
とあたるに声をかけられ、俺はここで見ているのも何だかあれだと思って意を決して部屋に入った。
部屋の中には、パンツが半脱ぎになって息使いの荒くなっているけいこと、にやにやと相変わらず悪い笑顔を浮かべた中がいた。
その光景に僕は茫然としてしまった。
いままでこういうのはエロゲとか漫画とかAVでしか見たことなかったからだ。
あ「おい、どうしたノブよ。ボーっとして」
ノブ「いやぁその。カルチャーショック的な。あはは。」
け「・・・」
しばらくこのまま三人とも無言で何やら気まずい感じだった。
するとあたるが
あ「あ、そうだ。けいこ。お前、まだ負け分しか精算してないぞ?どうだ、俺の勝ち分の代わりにノブのアパート行こうぜ。」
け「え、せ、先輩どういうことですか?」
あ「どういうことって、みんなでノブの家に行くんだよ。それであれだ。有体に言えばノブの童貞卒業させてやれ。な?」
け「え、ちょっと待って下さい!先輩!いくらなんでも!!」
突然の急展開に俺は頭がついていけなかった。
とりあえず俺の家に来るそれだけしか理解できなかった。
でも、はっと我に返った。これで童貞を卒業するのはどうなんだろうか?
何だか、借金のかたに体を差し出すみたいな感じで、けいこはそんなんでいいのか。
ここまで女の子を追いつめて俺は何だか情けなくなってきた。
それと何だか負けた気になってしまった。悔しくて悔しくて。
それと、さっきも書いたけど女の子に対してコンプレックスもあって簿俺は段々と冷静ではいられなくなった。
ノブ「帰る。悪いね。何だか、俺のせいでせっかく楽しい飲みが台無しだな。」
あ「ちょっと待ってってーけいこは全然OKだと思うぞー。なー?」
け「え・・・そんなこと・・・・・・」
ノブ「ほら、嫌がってるじゃん。な?なんかこういうのよくないよ。うん。」
あ「そんな堅いこと言うなって、そんなんだからお前童t」
あたるの声をさえぎるように俺は逃げだした。
なんか。いきなりそんなこと言い始めた自分が恥ずかしくもなったし、居づらくなった。
気が付くと、自宅のアパートのベットに寝転がった。
必死に眠ろうとするのだけど、けいこへの罪悪感、そしてなによりあのエロい体が脳裏に焼き付いて眠れなかった。
暫くすると、深夜も遅いのにインターホンが鳴った。
そこにはけいこが立っていた。
け「さっきは先輩がごめん。ちょっと申し訳ないなって思って。」
はにかみながらけいこはえへへと微笑んでいた。
ノブ「いや、ごめん。俺もかっとなっちゃって。」
け「ううん。こちらこそ。先輩滅茶苦茶な人だけど悪い人じゃないからさ。」
ノブ「いや、知ってる。もう怒ってないし。平気だよ。で、どうしたの?」
け「お詫びにそこのコンビニでちょっとしたの買ってきたんだ。良かったら飲み直しませんか!」
そんなこと屈託のない笑顔で言われるものだから、俺もけいこを家に上げることにした。
勿論家に女の子を上げるなんて初めてだった。
け「へぇ。意外と片付いてるんだ。」
ノブ「マジマジ部屋見られるとなんか恥ずかしいな。あんまり片づけてないけどごめん。」
け「ううん。先輩の部屋より片付いてない?一人暮らしの男の部屋って汚いものだと思ってたから。」
ノブ「そうかな。まぁ、あまり家にいる時間が短いからね。汚くなりようがないんだよね。」
け「あーこれ!東方の魔理沙のフィギュア?」
ノブ「ほう、知ってるんだな。」
け「あんまり知らないけどね。でも霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんだけは知ってる。あとは早苗ちゃん。」
ノブ「へー意外。」
け「まぁ、多少はね?あ、これ土星マンション!これ私も大好きなんだよね!!」
と、まぁ好きな漫画が一致したりして嬉しかった。
だって、始めたときにこんなかわいい子が俺とまともに話してくれるわけはないって思ってたから。
あ、土星マンションはマジで面白いです。おすすめ。
そんなこんなで、好きな漫画から始まり、意外とこの子もゲームやら漫画が好きだと知って色々と話が盛り上がった。
あたるの高校時代の話から、俺の身の上話まで。凄く楽しかった。
他愛のない話から恋愛の話になった。好みのタイプとか。俺はぶらばんってエロゲの海老原みなせちゃんが永遠の嫁なんだ。
ああいう元気で明るくて気立てのいい子が好みだと言ったら、そんないい子二次元だけだよーなんて笑いあったりした。
その後恋愛遍歴の話になって、当然俺はそんなこと殆どなくて小学の時の苦い初恋の話をした。
(これがいじめにつながってるんだけど、重くなるのが嫌なのでこの時は伏せた。)
そんでもって、けいこの話を聞こうとした。意外なことにあたるはけいこの元カレだと思ったがそんなことは無く、同じクラスの友達と付き合っていたようだ。
その後は、大学に入ってからずっと付き合ってる彼氏がいるということを教えてくれた。
け「私、最悪だよね?彼氏いるのにさ。先輩とさ、何というか。セフレみたいな関係になってるんだ。」
ノブ「実はあいつから聞いてる。」
け「・・・・・・私の事、軽蔑するよね?だってこれって浮気。人として良くないことしてる。」
俺は、しばらく何とも言えなかった。でも、沈痛な面持ちでそれを吐露する彼女が見ていられなかった。
ノブ「そうは言いながらもそういうことするってことはさ。」
け「え?」
ノブ「何か辛いことでもあっての逃避行動なんでしょ?」
け「でもさ!こうやって体だけの関係するみたいなのって良くないよね。どんな理由があるにしろさ。最悪な女だ。私。」
ノブ「ほら。そこまでの理由があるってことじゃない。ね?こんなこと言うの、あれかも知れないけど、良かったらさ。俺に
話してみてよ。いや、言いにくい話だったらいいんだ。他人のプライバシーを詮索する趣味もないしさ。なんかごめん。おこがましいよね、俺みたいなキモヲタがさ。」
け「・・・いて」
けいこは何やらつむきながらぼそっとつぶやいていた。
ノブ「ん?どうかした?」
け「きいて・・・お願い。」
自分で言い出したことだし、何よりこの子の話を僕は聞かなければと思った。
けいこの話はこうだ。大学からずっと付き合ってる彼がいるが、もう実は好きではない。
その彼氏が依存体質で束縛が激しすぎるらしい。メールや電話に直ぐに応じないとけいこに手をあげ、友達との飲み会も事前にメンバーや時間、場所を言っておかないと怒るようだ。
一回けいこが別れを切り出したら「お前がいなくなったら俺はどうにかなってしまう。」などと言ってくるらしい。けいこはそういわれると彼氏がかわいそうになって別れを撤回するというのが日常茶飯事になっていた。
そんな時、たまたま高校時代の部活の同窓会で再会したあたるに打ち明けたら、親身になって相談に乗ってくれた。
そして、いつの間にか体を許すようになってしまった。
だけども、やはりこれは浮気でダメだとわかっているのだが、あたるに呼び出されてしまうと家に行ってセクロスをしてしまうのだという。
でも、あたるは基本的には自分では動かなくてそのセクロスも最近は満足していないようだという。
け「やっぱ私、最悪な女だ。ノブ君。聞いてくれてありがとう。うれしかったよ。あと数時間もすれば始発もみたいだから動いたらすぐに帰るね。」
俺は、何も言えなかった。ただ、けいこがうつむきながら涙を浮かべているのだけは見えた。だから動いた。
け「ノブ君!?ど、どうしたの?」
ノブ「なんか、分かんないけど。けいこさん辛かったんだよね。ごめん。キモヲタなのにこんなことして。」
何故か、彼女を抱かなきゃいけないと思っての行動だった。理由はわからないけど。多分。お酒のせい。今思い出すだけで恥ずかしい。
ただ一つ泣いてるこの子がほおっておけないと思った。
ノブ「ごめん。本当にごめん。もうこれ以上何もしないから。」
け「・・・・・・いいの。うれしい。今だけはこうしていたいな。」
そうやって僕はけいこと暫く抱き合っていた。
どのくらいたったろうかけいこが耳元で囁いきた。
け「ねぇこっちむいて」
僕は唇を奪われた。当然ファーストキス。こんなキモヲタにだ。驚いた。
け「もしかしてファーストキスだったりする?」
ノブ「幼稚園の頃に同じクラスの子となら!」
け「凄く昔のことだから、それはノーカンにしよう。これがファーストキス。いいでしょ?」
ノブ「・・・・・・」
なんかすごく恥ずかしかった。
ノブ「でも、なんでさ。俺みたいなキモヲタに。あぁダメだ。夢の中じゃないか、これは。」
け「さっき抱いてくれたでしょ?あんなに優しく抱かれたの久しぶりで嬉しくてさ。お返し。それにノブ君は素敵だと思うな。」
ノブ「な、何言ってるんだよ!」
け「ねぇ・・・・・・もっとキスしない?」
促されるままに僕はまた唇を重ねた。何度も。
そうやって何度かののち、いきなり彼女が舌を入れてきた。
初ディープキス。俺の舌に絡ませて来たり歯茎をなぞられた。なるほど。これはいいものだ。
俺も、負けじと舌を入れた。
け「ん・・・ちゅう・・・んは・・・・・・ひゃん!」
どうやら、歯茎をなぞられるのが弱いようだ。
そうやって吸ったり歯茎をなぞったり舌を絡ませたり、見様見真似というかされたことを基本的に仕返す感じだった。
だんだと、彼女の声が甘ったるいものへと変わってきた。そうすると急に体を震わせた。
け「ん・・・・ん・・・んは・・・あん・・・・・ちゅ・・・んひゃん!」
ノブ「え、どうしたの・・・?」
け「ごめん。なんかキスだけで凄く感じちゃった。あはは。」
ノブ「そんなものなのか。」
け「わたしはね?ほかの子は知らないけど。でも、キス上手いね。びっくりしちゃった。」
ノブ「そんなことないよ。やられたことをそのまましただけだよ。」
け「本当は童貞じゃないでしょ?えへへ」
そうやってはにかみながらも、ちょっと頬が赤らんで息が少し上がってる彼女に僕は欲情してしまった。
「ごめん。触っていいよね。」
気づいたら押し倒してた。
さっきはちらっとしか見えなかった綺麗な胸が前にある。それだけで童貞が興奮するには十分だった。
俺は服の上からまさぐった。
け「あん!ちょ・・・んは・・・・・あ・・・」
ノブ「ごめん。俺、あんま触り方上手くないかも。」
け「いい・・・このままで・・・お・・・ねがい」
シーツをつかみながら顔を隠して恥じらいながら懇願する姿はなんともそそった。
俺も直に触りたくなって脱いでもらった。
なんか、Tシャツを脱いでブラジャーを外すところは凄くエロくてもう愚息がビンビンでした。
け「・・・恥ずかしいね。なんか。ねぇ、お願い・・・」
僕は胸に飛びついた。
け「そんな・・・ん!・・・がっつかなくてもぉ・・・」
俺は胸をもみしだいた。その度に彼女から甘い声が出した。
すっかり目はトロンとしていた。
け「ん・・・あん・・・あ・・・きゃん!」
乳首をつまんでみると体が飛び上がった。本当に感じやすいようだ。
そうやって形のいい大きな胸を弄っていると僕もなんだか息が荒くなってきて、次は下半身の方が気になってきた。
け「え!?きゃ!・・・いや・・・・あん・・・下はぁだめ」
ノブ「凄く濡れてる。ねぇ、どこ触ったらいい?」
け「ああん・・・あ・・・ね、一回・・・脱がせて」
パンツも脱いで全裸になった彼女が促されるまま僕は下を愛撫し始めた。
け「あぁああーいい!ねぇ・・・もっと」
ノブ「ちと、触りにくいから開いていい?」
け「え、ちょまってまってまってー!」
M字開脚みたいな形で足を開くと彼女は両手で顔を塞いで呻き始めた。
エロ描写キモすぎてごめん。すぐ終わらせます。ほんと文才ないなぁ。
ある程度まで書いたらすぐにやめます。ごめんなさい。
け「恥ずかしいからやめていったのにぃ」
ノブ「ごめん。で、どこ触ったらいい?」
と、まぁクリトリスとかいじったり、膣の穴に指を突っ込んだりと。
そうやってると息の上がった彼女が
け「ね、しゃぶってもいい?」
と聞いてきたのでベッドに座って彼女が床に座り込みしゃぶってもらうことに。
け「ん・・・ちゅ・・・どう?かな?」
そうやって上目遣いでカリや裏筋を舐められたりキスされたりして本当に気持ちよかった。
その後は、口に含まれて吸われたり、奥まで含まれたりと凄くうまかった。
いや、比較対象は無いんだけどね。
ノブ「あーやばい。逝きそう。」
け「ん・・・ホント?ねぇ、欲しくなっちゃった。入れて・・・お願い・・・・・」
そんなこんなで、俺はコンドーム持ってるはずもなく彼女がポケットからおもむろに取り出して
け「いつも持ってるわけじゃないの。誤解しないで!その、今日は先輩の家に行くから・・・」
ノブ「いいよ。今はそんなこと。」
恥ずかしながら、コンドームを普通に手で付けてもらいました。
つけ方わからないからね。仕方ないね。でもまぁ、なんかすごく恥ずかしかったです。
そうやってゴムをつけてもらうと、いざ挿入と相成った。正常位で向かい合って入れる前に目が合ったんだが。
なんか、目がとろんとしてて息が上がっててすごくかわいかった。
入れると凄く暖かくて気持ちよかった。
け「・・・う・・・はうんっ!」
今まで一番大きな声だった。
それが恥ずかしかったのか、近くにあったクッションで顔全体を隠し始めてた。
ノブ「あぁすごく・・・いい・・・・・」
そういうとけいこはクッションからちらりと此方を見て
け「童貞卒業だね。おめでとう」
ってなんか可愛く言うもんだからなんか理性が吹っ飛んで腰を振り始めた。
け「あんっ!ねぇ、いきなりは・・・ずるい・・・あ・・・あん!」
ノブ「ごめん。なんか凄く気持ちよくて」
け「あっあっあっ!嫌ぁっ・・・だめえっ!・・・・・はげしいぃ・・・」
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そのまま、騎乗位に移ったんだが、形のいい胸が揺れてて凄く勃起した。
胸もいじるとますます彼女も興奮はじめて自分から腰を動かしてた。
ノブ「う・・・すご・・・・・・自分から動くなんて」
け「あああっ!だめぇ!止まらないよぉ!」
その後、僕は果てました。その後、なんかまた勃起してきて二回戦に。
二回戦はバックで入れてほしいと頼まれたのでバックで。
胸を後ろからいじると、締め付けが凄く強くなった。
ノブ「今、なんか」
け「あぁぁ!おっぱい、もっといじるといいのぉ!・・・あぁ!なかでぇ・・・おおきくてすごい・・・」
僕もなんかそうやってお願いしてくる感じが凄くエロかったので最高潮に興奮してたら大きくなってたらしくて
もう、けいこは何言ってるか分からない感じだった。
け「あぁ・・・おお・・・・・だみぇ・・・ああん・・・」
それがたまらなくエロくてまた中で果てた。
終わった後、二人で並んでベットに寝そべりながら手をつないでた。
汗ばんでていやじゃないの?って聞いたけどこうしていたいと言われたのでしばらくつないでた。
しばらくするとけいこが突然
け「なんかこういう形ではじめてにしちゃってごめん。」
と謝ってきた。
ノブ「なんでさ。」
け「結局さ。私、彼氏とも上手くいかないで先輩で寂しさ紛らわせて、それも辛くなってきてノブ君とこうやってさ。ひどいよね。」
ノブ「そんなこと・・・でも・・」
け「もう何も言わないで。結局はそうなるんだよ。ありがとう。ノブ君。」
なんかもう、この時自分でもよう分からなかったけど涙が出てきた。
け「ノブ君・・・え・・・・・どうしたの?」
ノブ「いや、何でもないんだ。けいこさん苦労してるんだなって。あぁ何だか陳腐な言葉だ。」
け「いいの・・・私も・・・・・・」
けいこもみると何故か泣いてたように見えた。
これ以上何も言わないほうがいい。ただ、手をつないで二人でボーっとしてた。
もうその頃には始発も動いてた。うちのアパート駅が近いから電車の音が大きく聞こえるんだ。
け「あー始発出ちゃったね。帰らないと。」
そういいながらも手をつないでた。
け「あーーーーーお腹すいた!ねぇ、駅前で何か食べない?」
ノブ「それもいいな。あ!そうだ。俺、ありあわせいいならなんか作るよ。」
け「え!いいの!!」
ノブ「味は保証しないけどね。」
け「ううん!楽しみ!!私、なんか手伝う?」
ノブ「あーそうだな。コーヒーでも入れてくれないかな。これ使って」
け「うん!」
この前買ったモヤシが賞味期限切れ近かったので気になっていた。
そうやって、朝から重くないように適当に鶏肉と炒めてトーストを焼いて朝ごはんを二人で食べた。
け「んーーおいしかった。ノブ君はいいお婿さんになるよー」
ノブ「はは。そりゃどうも。お粗末さまでした。」
なによりさっきまでの雰囲気が一転して明るくなったのが何よりだった。ご飯を前にした彼女の屈託のない笑みは忘れられない。
そろそろ俺も研究室に行く時間になったので駅まで彼女を送ることにした。
け「あの、その。色々とありがとう!」
ノブ「色々とねw」
け「やめてよ。」
ぽかぽかと僕の肩をたたいてきた。そしておもむろに僕の手を握ってきた。
ノブ「え?」
け「いいでしょー?今だけ今だけ・・・」
恥ずかしかったけど。凄い嬉しかった。というか、物凄い積極的なんだなこの子と思った。
駅も近づき、僕は彼女と別れることにした。
け「ありがとね。じゃあ。」
ノブ「ねぇ、この次もさ!」
け「さぁどうだろうwまた機会があったらねwww」
ノブ「そうだな。じゃあね。」
そうやって僕はいつまでも手を振り続けた。一夜限りの関係じゃないかって言い聞かせた。
「また」機会があったら。そう言ってたじゃないか。
でも、僕はその日一日研究室でも締まりのない顔してたと思う。彼女のぬくもりを思い出しながら。
我ながら本当にあの時はキモイな。あぁ今もか。
さて、そんな夢のような童貞卒業を果たした僕は暫く彼女が忘れられない日々でした。
二日間ぐらいは夢のような気分でふわふわしてました。その後は彼女の胸の感触とか思い出してオナニーするというね。
気持ち悪いですね。吐き気がします。
でもまぁ、別れ際そそくさと帰って行った彼女のことだし、雰囲気からして一夜限りだよなぁなんて思ってました。はい。
そうやって俺も忙しくてそれどころではないぐらいになった。
一週間たったあたり、一通のメールが。あたるからだった。
あ「この前はお楽しみでしたね。グヘヘ。」
もうね。こいつは人の気も知らないでと。まぁこういうことするけど憎めないやつなんですよね。
なんだよ。用かよ。と送ると
あ「いやね。俺もびっくりしたんだが、けいこがお前のアドレス教えてほしいって連絡来たからさ。でももう教えてるんですけどねー事後報告までに☆」
最後の星マークに殺意が抱いたが、びっくりした。まさかあの子からコンタクトがあるとは。
暫くするとけいこからメールが。
け「この前はお世話になりました(絵文字)
美味しい朝ごはんのお返しにご飯でも食べに行きませんか?
もし、よかったらこの前言ってたもんじゃ焼き屋行きたいです!」
そう、あの晩俺は趣味の話になった時、神社仏閣めぐりが好きだと話していたのだ。
けいこは写真撮るのが好きらしくていいお寺とか神社紹介してくださいよーと意外ながらも好印象だった。
その時、前に一人で浅草の神社仏閣めぐりしてるときにふらりと立ち寄ったもんじゃ焼きの店の話をしていたのだ。
どうやら、そこに行きたいというのだ。もちろん僕は承諾した。
丁度、研究室も夏休みで業者の点検が入る日が日曜日にかぶっていたのでその日に浅草でデートすることになった。
勿論初デートである。
その日、僕は久しぶりにジャージではなく、自分の中ではきちんとした服を着て浅草の雷門の前で待ち合わせしていた。
人が多くて暑くて敵わない。暫くすると電話がかかってきた。
け「もしもしー?お久しぶりです!」
ノブ「あぁどうも。今どこですかー?」
け「交番の前だよ。」
ノブ「いま、雷おこしの店の前です。今向かいますね。」
すぐに彼女は目の前に現れた。何だろう凄くかわいい括弧してた。
麦わらのなんだろう、カンカン帽みたいなのをかぶってピンクのフリフリしたワンピースとデニムの半そでのアウター
・・・だった気がする。
け「待ってたかんじですか?ごめんなさい。」
ノブ「いや、用事済ませてきたところだから丁度いい感じ。」
け「良かったーじゃあ行きましょう。お腹ぺこぺこなんでもんじゃ焼き行きましょう!もんじゃ!」
ノブ「そうだね。」
俺の好きなもんじゃ焼き屋に着くなり、俺の方を振り返って興奮気味だった。
け「凄い良い雰囲気!ちょっと待ってて!」
そうすると、バッグからカメラを取り出して店の外や中を取り始めた。あぁやっぱ写真好きなんだなとちょっと彼女の一面が見れて嬉しかった。
きちんとしてるなぁって思ったのは店のおばちゃんに中をきちんと確認していたのだ。
ネットに載せるわけでもないが礼儀としてきちんとこういうことができるのはいい子だなぁと思った。
店に着くと、いくつかお好み焼きを頼んだ後にもんじゃを頼んだ。
ベビースターが入ってる昔ながらのもんじゃとカレーもんじゃ。
け「作るの上手いね!」
ノブ「こんなの言うほどじゃ無いって。」
け「だって、土手が決壊してない!私、友達といったときとか凄いことになったものw」
ノブ「そうかwじゃあ参考にしてもいいぞ!なんて。」
まぁそんな大した特技でもないが、というかもんじゃって混ざればいいのだけど、この土手が崩れないようにするのが僕の唯一の取り柄だったりする。
昔、実家に暮らしてる頃、産まれも育ちも下町育ちの両親が良く好んで食べていた。
親は共働きで、晩飯を僕と妹で作らなきゃいけない時がけっこうあった。僕が部活で忙しいときは親から教わったもんじゃ焼きを作って妹と食べていた。
簡単で早く出来ますからねw
ベビースターもんじゃを食べた後はカレーもんじゃを作ろうとした。
け「私、作ってみる!」
ノブ「お、楽しみだね。やってみて。」
でもまぁやっぱり決壊させちゃって、落ち込んでるから「味は一緒だから」と慰めたんだけど。何故か、落ち込んだままだった。
け「なんか負けた気が!」
と意地を張る姿もかわいいなと一人ニヤニヤしてた。僕は凄く気持ち悪いですね。ありえん。
会計は俺が払おうとしたんだが、この前の朝ごはんのお返しだと聞かないので、そういうことにした。
その後は、浅草寺や神社、その周辺の寺や神社を巡った。
待乳山聖天いいですよ。俺はあそこの雰囲気好きです。
でも、ずっとなんか僕の趣味に付き合せてる感じがして少し申し訳なくなってきた。
ノブ「ここは待乳山聖天。聖天を祭っている寺だよ。聖天っていうのはね、ヒンドゥーのガネーシャ。象の神様で、主に財運だとかを司るんだ。そこの二股大根は聖天さんの象徴でね、昔、十一面観音って仏様が・・・って何かごめんね。つまんないよね。」
け「・・・・・・(無言で色々と撮りまくってる。)」
ノブ「・・・(やっぱつまんないかぁ)」
け「ねぇ・・・続きは?」
ノブ「え?」
け「十一面観音が~の続き」
とまぁ、意外と楽しんでくれていてホッとした。というか写真撮ってるとき凄く真剣で邪魔できない感じで若干怖かった。
神社仏閣めぐりも終え、どうやら錦糸町まで歩いてみたいとのことだったので二人で街をぶらぶらしながら、俺は気になった寺や神社に入ったり
彼女は路地裏や風情のある建物の前、猫の前で立ち止まって写真を撮ったり。二人とも割と自由に歩きながら、他愛のない話をしていた。
そんなこんなで途中であんみつ屋に寄ったりなんだりしてたら、夜になっていた。
晩飯は一度食べてみたかったという錦糸町のラーメン屋で玉ねぎいっぱい入った美味しいラーメンを頂き、駅前の飲み屋で飲むことにした。
け「いやぁ今日は楽しかった。ありがとね。」
ノブ「こちらこそ。俺も凄く楽しかった。あ、ここは俺のおごりだからな。」
け「えーいいよー」
ノブ「黙っておごられろ!」
け「じゃーお言葉に甘えて!」
そんな、感じで先ほどの借りを返せることになって、満悦の僕は彼女とまた色々な話をした。
学部生時代に熱中したことや、今日の寺社巡りの感想、僕が寺社巡りをするようになったきっかけなど、会話は尽きることがなかった。
そうやって夜も更けてくるとそろそろ彼女の終電の時間が迫っていた。
ノブ「さて、本当に楽しかったわ。ありがとう。そろそろお会計しようか。」
け「えー!まだ飲み足りないなーもっと飲む飲む!飲むのー!!」
ノブ「いや、けいこさんもういい感じに出来上がってますよ。それにほら、終電。明日バイトあるじゃない。」
け「・・・やだ。」
ノブ「また、どっか行こうよ。ね?」
け「・・・・・・」
ノブ「けいこさん?」
け「・・・・・・・・・トイレ」
ノブ「あっはい」
と、不機嫌そうにトイレに向かうけいこさん。
しかし、いつまでたっても出てくる様子はなく、終電まで残り5分をきった辺りでさすがに僕も心配になった。
恥ずかしいけど、終電を逃させるわけにはいかない。仕方なく女子トイレの外から呼びかけた。
ノブ「おーい。けいこさーん!終電。終電。」
け「え!ノブ君!!ちょっと待って。」
と、テーブルに戻るもあらわれることなく終電が通り過ぎたであろう時間になってやっとあらわれた。
け「いやぁまさか。トイレまで来るとはーびっくりしたぞー!」
ノブ「だってほら終電。あぁ・・・もう過ぎてる。」
け「あらーやっちゃったねー仕方ない!飲み直すか!!」
ノブ「とりあえず池袋まで行こう。池袋まではいけるはずだし、明日バイト行くのにも都合いいだろ?」
け「うん。そうしよーそうしよー!れっつごー!」
と、完全によっぱらってタガが外れたけいこさんを連れて池袋に向かった。
池袋ではダーツバーに行った。けいこさんがダーツが好きだというので、僕はやったことないけど行ってみた。
店員さんはみんなイケメンで、これまたダーツもうまい。こういう人って人生イージーモード何だろうなって思った。
彼女はマイダーツを持っているらしく、腕前もなかなかだった。
俺はというと全くダメで枠の中に入れるだけで精いっぱいだった。
ノブ「うわぁ。全然いいところいかないや。」
け「持ち方が悪いんだよ、だめ!それじゃあ無理だよ。」
と、僕の後ろに回って、僕の手をつかみながら持ち方やモーションを教えてくれた。
だけど、僕はけいこさんの綺麗な黒髪から漂う甘い香りにドキッとしてしまってそれどころではなかった。
そんなこんなで、ダーツしたりお酒を飲んだり、しているうちにけいこさんが賭けをしようという。
勝ったほうが負けたほうのいうことを聞くなんていう、非常に僕には分の悪い賭けだった。
でもまぁ酒も入っていて少しムラムラしていた僕は、それに乗ることにした。
ルールは0ノブ。最初の点数からお互いの獲得点数を引いていって、0にすれば勝ちのゲーム。
これなら初心者でも勝てる可能性はあると思うよと言われてそうした。
だけど、まぁいいところまで入ったものの、結局彼女が勝った。
そりゃあ、ずぶの素人が勝てるはずもない。
ノブ「あーくそ!いい感じだったんだがなぁ。」
け「結構弾がそろうようになったね。すごーい!(ドヤァ」
ノブ「で?何すればいいの?俺?(もんじゃ焼きの意趣返しか・・・)」
け「あぁ、そうだよね。うん。じゃあ、その。もう一軒行かない。」
ノブ「はいはい。付き合いますよ。そこでおごればいいんでしょ?」
け「あの、違うの。ゆっくり静かに休みたいなって・・・いい?」
唖然とした。しかし、愚息は正直であった。
金は無いので、取りあえず完全個室で防音の漫喫があるのでそこに行くことにした。
昔、夜のバイトで仮眠室代わりに気に入って使っていたので知っていた。
実は、二人とも結構飲んだり食べたりしたせいでお金が無かったんですよ。
まぁでも、やっぱり漫喫なので漫画をお互い読むことにした。
確か俺は未来日記かなんか読んでたな。彼女は何故かネギま読んでたかなw
暫く二人とも何故か無言で黙々とマンガ読んでました。
すると、徐に彼女が聞いてきた。
け「ねぇ。今、二人っきり、だね。って何言ってるんだろ、私。」
ノブ「あぁ・・・そうだね。」
け「その・・・・・・ムラムラしない?」
すると彼女は僕の股間に手を当ててきた。
ビクッとした。
というか、すでに僕は未来日記の最終巻のあのシーンのせいか勃起はしていた。恥ずかしながら。
け「しない?ちょっと私ムラムラしてるかも。」
でも、僕は跳ね除けた。また、こうやって彼女は寂しさやフラストレーションを埋めるために求めてるんじゃないかって。
そりゃ勿論僕はしたかった。だけどもまたそうやって彼女が傷つくのを見たくはなかった。
け「え?なんで?」
きょとんと彼女は僕をまっすぐと見つめていた。
僕はなんでこうしたか、それをはっきりと包み隠さず言った。そして
ノブ「だからさ。君が傷つくのは見たくない。それに、なんか僕ってキモヲタの童貞だったじゃない。ちょろいよね。だってさ、すぐ興奮して今だってすごくしたいもん。だからすぐ埋め合わせに使えるもんね。」
け「え・・・え・・・・・・・」
あぁ、最悪な男だ。僕は、一番言ってはいけないことを言ってしまった。
だけども、言いたいことはそういうことじゃない。
ノブ「そういうことが言いたいんじゃないんだ。違う。」
け「・・・」
もう言ってしまおう。そうだ、素直に。
ノブ「聞いてくれる?さっきみたいな卑屈でひどいこと言ってしまう僕だけど、だけど悔しいなって思たのは僕みたいなキモヲタが君みたいな美人でいい子と釣り合うはずないもの。それが悔しいんだ。」
け「え・・・?」
ノブ「暴言かもしれないけど今は君の彼氏なんてどうでもいい。寧ろ君を苦しめている諸悪の根源じゃないか。縛られて君は本当にいいの?僕は君が悲しんでるように見える。」
け「だって仕方ないじゃない!だって!だって!」
彼女が声を荒げた。あ、やってしまったな。そう思った。だけど、僕はいつになく冷静だった。何故だか。
もう言ってしまおう。僕がこのような事を言うのはおこがましいけど、仕方ない。
一度堰を切ってしまった感情だから。
ノブ「だから!僕は、君が好きなんだ。とてもじゃないけど僕と君じゃ釣り合うとは思えないが、思いは伝えたかった。」
け「・・・・・・私も・・・私も好き!!でも、でも!」
ノブ「君は彼氏と別れたほうがいい!!僕と付き合わたくたって、今の彼氏のままじゃ君は泣いたままだ。」
け「うぅ・・・うぅ・・・・・」
ノブ「ひどい彼氏で分かれるのが大変だってなら、僕もついていく。殴られようが蹴られようが僕はそれでいい。それで君と一緒になれるなら。ほら、言ったろ?僕は元々いじめられっ子でさ、殴られたり蹴られたりするのには慣れてるんだ。」
けいこは僕がそう言うと大泣きし始めた。
泣き止むまで僕は見守った。
ノブ「落ち着いた?」
け「・・・うん。」
ノブ「良かった。じゃあ、飲み物!あ、新しいの持ってくるな。」
け「・・・いい。ここにいて。」
ノブ「う、うん。」
すると彼女は僕に抱き付き少し泣きながら
け「私も好きです。」
と、言ってくれた。ホント夢のような出来事だった。
気が付くと僕も泣いていた。
泣きながら、二人で抱き合ってキスをした。
何だか今思い返すと凄くシュールな絵面だったと思う。
落ち着いてくると、彼女の体の膨らみが凄く気にかかってきて愚息は怒張していた。恥ずかしながら。
ノブ「さっきはさ。拒んでごめん。あのさ」
け「ねぇ!その・・・・・・ズボンとパンツ脱いで?凄くしてあげたい気分なの。」
ねぇ、気持ちいい?とこっちを何度も見ながらむさぼるようにしゃぶってきた。
け「こういうの、見たことあるんだけどどう?でも、胸そんなにないから無理かなぁ」
と、胸の谷間に愚息をはさみながらしごいてくれた。凄くあったかくて気持ちよかったのを覚えている。
その後は、よく覚えていない。いろんな体位でしたのを覚えてる。
勿論彼女が好きなバックも。どうやらM属性のようだ。
彼女の両手を掴みながらバックしてるとき、恥ずかしながら「彼氏のことなんて忘れさせてやる」なんて趣旨の言葉を吐いていたらしいが、恥ずかしくて今思うと死ねる。
覚えてるのは、それを言ったとき妙に締め付けが強くなったこと。
やっぱMだ。
そうやって、まるで獣のように胸をむさぼったり、僕が舐められたり、ガンガンとついたり。
本当にお互いに獣のようにセクロスしていた。
4回戦ぐらい済ませたのち、二人で寝っ転がっていたが、直ぐに彼女は寝てしまった。
そりゃ、あれだけ泣けば疲れるよね。
チャックアウトの時間が近づき、彼女を起こし漫喫を後にした。
店を出てすぐに彼女が手をつないできた。
なんだか、こうしてるだけで幸せだった。もう、俺このまま死んじまうんじゃないかって思った。
そうして、乗る路線が違うので僕は山手線の改札まで彼女を見送った。
帰り際
ノブ「じゃあ気を付けてな。」
け「うん。ありがとう!あぁ・・・そう、私、明日彼氏と会ってくる。」
ノブ「え、さっそく?」
け「うん。ノブ君の言う通り、このままじゃいけないから。全部終わらせて来る。」
ノブ「俺も行くよ。明日なら・・・」
け「私一人で行く!ノブ君が頑張って告白してくれたんだもの。私も頑張らないと。ね?」
ノブ「・・・おう。頑張って来いよ。」
け「じゃあね。」
そういって改札を通ると思ったら、不意に唇を重ねてきた。
相変わらず、突然で積極的である。
け「好きだから。信じて。待ってて。」
ノブ「・・・・・(ボー)」
そして、「彼女」はスーッとホームの階段まで登って帰っていきました。
僕はというと、気づいたら自宅のアパート前に立っていた感じです。そりゃもうなんだか実感わかなくて。本当に。
ガス代が代納してるという通知が家に挟まっていたけど、いつもなら直ぐに大家さんのとこに飛んで行って平謝りしながら払うってただろうが、もう色々とキャパオーバーですぐに布団に入って寝ました。
(※その後きちんと払いました。)
次の日の夕方、夏休み明けに出す報告書やセミナーの資料を作っていたら電話が。
けいこだった。
け「あーもしもしー?今大丈夫ですか?」
ノブ「けいこか。どうしたの?」
け「あの!不肖私め、ミッションを遂行してきましたので報告まで!」
ノブ「おぉ!どうだった?」
け「あーなんかねーあっけなかったwww話長くなるけど平気?」
新宿の某喫茶店で待ち合わせた、けいこと彼氏。曰く、彼氏は何だがあきらめたような悟ったような表情だったという。
始めは、気まずくお互い飲み物を口にするだけだったが、意を決したけいこが今までの感情を発露。
泣きはしなかったが、ヒートアップして「このままだと、お互いダメになる。そろそろブラブラするのやめて学校行くか定職見つけて!で、彼女でもまた作ればいい!!」と啖呵を切ったそうな。
すると、彼氏は深々と頭を下げ、きっぱりと別れを受け入れた。
その後けいこはお互いに目の前で連絡先を消去させた。その後、期間限定で使える捨てアドレスを渡したそうな。
まぁ所謂ビッチですよね。
今はラブラブです。本人曰く、改心してあの時期は黒歴史だと。
勿論、僕はそういうことがあったら問答無用で今後の付き合いは無しだと言っています。
なので、友達の飲み会や職場の飲み会の前などは誰とどこでいるか明記したのち、帰りは電話かメールで今帰ったと連絡してきます。
僕はそういうのいいからって言ったんですが、本人的には自分に課したペナルティーのようなものだと言ってました。
まぁ、そういう彼女なので逃げられたらそれまでだーっと腹をくくっていましたが
、気づいたらノブ年ちょい立ってました。彼女は公務員として就職して週末家にやってきます。
有給とかとってうちに入り浸ったりします。曰く公務員はきちんと有給消化しないといけないとか。
話聞いてて公務員って大変だと思いました。(小並感)
あたるはというと、今は大学を出た後、大学に入り直して教員免許を取ろうとしてます。
うちの学部ちと特殊で教員免許取れないんですよね。
何で教員?と聞いたら、JKとお近づきになりたいらしいです。
こんな奴は教師になるべきじゃないです。と二人で飲みながらよく話します。
で、当然彼からセフレを奪ったことになるわけですが、その件について聞いてみたところ。
あ「いや、お前ずーーーっと童貞だったろ?」
ノブ「あっはい。」
あ「だからさー嬉しくてさーー!!息子が巣立っていく感じでホント嬉しい。あげるよ!あいつ!」
ノブ「なんだかなーもっと怒られると思ってた。」
あ「いや、アイツの彼氏のことは知ってるだろう?まぁ俺的には可愛い後輩だから心配してたのさ。で、まぁ解決して結果オーライと!」
ノブ「お前が付きあるルートもあったろ?」
あ「いやーないないないねー。だって俺申し訳ないけどアイツの体にしか興味なかったもの。」
ノブ「そこまで清々しい(クズだ)と何も言えんね・・・」
あ「まぁ、ありがとな。アイツのこと。っまこれも俺のシナリオ通りってやつかなー」
ノブ「何も考えてないくせに!!」
あ「どうだかなーお前もアイツも単純で御しやすいからなー」
ノブ「言ってろ!あ、お前絶対手出すなよ?」
あ「あ、俺顔見知りとやってた女の子とか無理無理。」
この後一発殴ってやりました。
僕はというとまだ大学院です。周りはみんな就職しましたね(遠い目)
でもまだ、何になるかは未定です。なりたいものはあるんですけど。
先のことなんてわかりませんからね。なるようになります。でも、彼女よりは稼ぐようになります。これ絶対。
あと寺社巡りに関して少し突っ込まれたのでもう1個
最近は寺社巡りが高じて、ある山寺のお坊さんと仲良くなって、そこのお寺で修行したりお手伝いしたりしてます。
最近やたらと仲良くて、この前ラーメン屋行ったりお酒ごちそうになりました。
ホント、僕、何やってるんだろうねw
そんな感じで長い自分語りは終わりです。文才なくてすみません。
こんなこと言い始めたのは、お互いの両親に挨拶に行くのが来月に控えて自分なりに気持ちを整理しながら振り返ろうと思ったのもあります。
それと、人生生きてりゃいいこともあるなって感じたのでそれを伝えたかったからです。
思えば、あまり僕の人生はいいことはありませんでしたが、今は幸せです。生きててよかった。
というわけで、ここで終わりたいと思います。