大学に入りたての夏休み、親戚で集まって宴会した日のこと。
大人達の話にも加わりたくないし、夜空でも見てるかと思ったとき、1人の女の子が退屈そうに台所でテレビを観ているのが目についた。
仮名で『Mちゃん』とする。
最後に会ったのが小学校入学くらいで、それから3年近く経っているので、今は小3くらいだろうか。
同年代くらいの子が今回は来ていないらしいので、俺が相手になってあげることになった。
「何したい?」と聞くと、「バトル!バトルしよ!」と言う。
「バトル?バトルってゲーム?」
「えー?にーちゃんバトル知らないのー?『まいった』って言ったら負け!」
ああ、なるほどな。
このMちゃん、服装も女の子っぽさを感じない普通のTシャツと健康的なショートパンツなので、結構男勝りなタイプの子なんだなと俺は理解した。
ショートパンツから露出した光沢を放っているかのように見えるほどのピチピチの太ももを見て、若干この時点で勃起しかけていた。
バトル開始!
まずは圧倒的な力でねじ伏せる。
「ふははは、俺はまだ全力の半分ほどしか出してないぞ!お前の力はこんなもんかー!」
我ながらちょっと恥ずかしいセリフであった。
「やーー!!」
Mちゃんの渾身の体当たり。
そろそろ頃合いかなと倒れる。
倒れた俺にダイブ。
この年の女の子と言えども30kgくらいはあるので、それなりに痛かった。
これは注意しておかないと。
倒れた俺に抱き付いて起き上がらせないようにしてたみたいなので、それなりに抵抗しながら10カウントなりなんなり取ることを待つことにした。
「う~、くそ~、離せ~!」
足に絡みついているMちゃんの脚に触れたそのとき、さらっと柔らかくて、きめ細かくて、しっとりとしていて、滑らかな、そんな極上の絹のような感触が指を伝い、脳に情報として送られてきた。
(これが若い女の子の肌なのか・・・)
もう我慢ならず、フルボッキ状態である。
ふと我に返ると、Mちゃんが顔をこちらに近付けている。
(ああ、よく見ると可愛いなあ)
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そういえばこの子のお母さんも美人だった。
今は年齢以上に幼さを感じさせるMちゃんも、いずれあのお母さんみたいになるのかな?
もう「にーちゃん」なんて呼んで遊んでくれなくなるのかな?
そしてこんなにも無防備で無邪気なこの体を、いつか他の男に許すときが来るのかな?
時間にして数秒。
様々な思いが交錯するうちに、俺の視界がMちゃんの顔いっぱいになるほど近づいている。
というか、さらに近づこうとしている。
顔が当たる。
俺は危機回避の為に目を塞いだ。
その瞬間だった。
ちゅぷっ。
太ももが絹のような柔らかさなら、この口を塞いだ感覚はマシュマロのような柔らかさだった。
キスなんてしたことないのに!
もしもご両親に見られたら、なんて言えばいいんだ?
というか、この行為の意味はなんだ?
先程の交錯など比にならないほどに、頭の中を疑問が高速で渦巻いている。
とりあえず早くやめさせないと・・・。
その時・・・。
にゅるんっ!
俺の口に舌が入ってきた。
一瞬で俺の口は蹂躙されてしまった。
(こ、これは、べろちゅーってやつじゃないか?!)
「ぷはぁっ!にーちゃん死んだ!うちの勝ち!」
「・・・へ?」
「バトル!さいきょーのチューしたから私の勝ち!」
話を聞いた感じ、『バトル』ってのは普通のプロレスごっこ的なあれじゃなくて、Mちゃんが主に男子とする、ルールのあるケンカっぽいものらしい。
そして、この『さいきょーのチュー』を使うと、いつも相手は恥ずかしがってケンカをやめてしまうらしい。
まあ童貞とは言え、18歳の俺がしばらく動けなくなるくらいだから、少年には刺激が強いだろう。
そういうわけで、『さいきょーのチュー』を使われて、俺は敗北したらしい。
・・・いや、問題はそんなことじゃない。
とりあえず、こういうことは誰にでも、とりわけ男子相手には使うべきではないことを諭した。
納得がいかない様子であったが、強く念を押しておいた。
まあ、もう少し時間が経てば羞恥心が生まれてやらなくなるだろうけど、Mちゃんの唇が男子どもの口と接触するなんてことは、なるべく考えたくなかったんだ。
ちなみに何人とやったのか聞いてみたところ、同じクラスの男子の半分くらいとバトルしていた。
顔も知らない小学生の男子に殺意が湧いてくるオレは、ちょっとおかしいのかもしれない。